こんにちは。松隈です。
最近、Instagramで美味しいお店を紹介してくれている動画を見ることが密かにブームになっています。
テンポよく、とっても上手に紹介してくれるんです。ただ問題は…東京のお店の紹介だから、行けないんです。(笑) 美味しそう!って思っておしまいです。
さて、2/17(木)に見た朝日新聞の記事から考えてみたいことがあります。
その記事のタイトルはこちら。
「早大生100人、オンライン不正受講で『不可』 複数授業を同時再生」
(以前は無料ページで見られたのですが、現在は有料ページのみになっています)
記事の概要
概要をまとめてみますと、
・早稲田大学商学部でコロナ対策のためにオンデマンド型の授業があった。
・その授業の単位取得のためには期限内に全ての授業動画を視聴する必要があった。
・授業動画を何本も同時に再生した学生が約100人以上で、受講生の約半数だった。
・複数の授業動画の再生時刻が重なっている学生を「不可」として扱った。
といったところでしょうか。
今回は、オンデマンド型の授業で「不正」とも言われるような実態があった、
その「根本的な問題」に注目したいと思います。
根本的な理由
私は、このような実態があることについて、特に驚きませんでした。
今回はたまたま早稲田大学商学部でしたが、他の大学・学部でも、表に出ていないだけで、実際に起きていることだと思います。あくまでも氷山の一角ではないかと感じます。
私も学部生時代に、オンデマンド型の授業を受けたことがあります。
大学の先生方も非常に工夫を凝らして授業を作ってくださっていますが、学生の反応がわからない分、ゆっくり淡々と説明する動画にならざるを得ません。対面の「生もの」のような授業で過ごしてきた身からすると、オンデマンド型の授業は、やはり面白みに欠けるし、深まりがないのも事実です。
『大学生にもなって…』という声もありますが、映像授業が毎週90分、自分のタイミングで視聴できるとなれば、先延ばしにしてしまいがちになることも十分に理解できます。
- 「面白みがない」
- 「深みがない」
- 「自律的に生活することはまだ難しい」
考えられる理由はこれだけでなく、たくさんあると思いますが、
私はもっと根本的な理由がある気がしてなりません。
これを紐解くヒントになるのは、「大学進学の理由」にあると思います。
大学進学の理由
最近の調査をパッと見つけることができなかったので、少し古いものになりますが、概ね傾向は変わっていないと思うので、こちらの調査結果のまとめを引用します。
(進研アド(2014). 「特別企画 なぜその大学に入学したのか」Between 2014 2-3月号)
*調査は2013年10月実施の「大学受験振り返り調査」
これを見てみると、大きく4つに分類できると思います。
- 専門性(減少傾向)
「専門的な知識や技術の習得(資格も含む)」「専攻学問の研究」 - 教養(減少傾向)
「幅広い教養を身に付ける」 - 社会に出るステップ(横ばいもしくは増加傾向)
「学歴が必要」「とりあえず進学」 - モラトリアム(増加傾向)
「自由な時間を得る」「なんとなく」
このように整理してみると、「目的のない」とまでいうと少し過激に聞こえるかもしれませんが、学問に対する積極的でない進学理由が増加しているのは明白です。
「勉強しに来た!」というわけではない学生が、自律性が求められる、オンデマンド型の授業をちゃんと視るでしょうか?
それは考えにくいでしょう、そこにモチベーションがないのですから。
ここで私は「大学の目的は専門性や教養を身につけることのみにある」と言いたいわけではありません。しかし、学問にモチベーションのない大学進学は、その進学に必然性がなく、目的性が非常に希薄であると言わざるを得ないのも、また事実だと思います。
そのような現実をつくっているのは、「中高生時代に理由がある」と私は思います。
キャリアデザインを、中高生の当たり前に
私の経験としても、
「大学でやりたいことを探そうと思います」
という高校生や大学新1年生はものすごく多いです。
しかし、ほとんどの場合、
大学の教室にも、研究室にも、やりたいことが転がっていることはありません。
「大学で探せる!」というのは、もはや幻想です。
羅針盤なしに、航海に出る人はいません。
「人生をかけてやりたいこと」とまではいかなかったとしても、ある程度具体的な方向性は必要ではないでしょうか。そうでなければ、さまよい、難破します。
(大学生が難破していることは、就活生を見れば一目瞭然です)
勉強に、部活に、学校行事に…中高生が忙しいことはよく知っているつもりです。
親や教師が一緒に考えてあげることにも、限界があることもわかります。
(詳しくはコチラ)
しかし、
人生の羅針盤となるキャリアデザインなしに、中高生時代を終えていいでしょうか?
そのような機会を届けることなく、家や学校を送り出していいでしょうか?
答えはNO、じゃないですか?
そんな想いが少しずつカタチになってきているものがGLであり、My Story Projectであると思います。
そして、第1回My Story Project Festivalは、
そのような想いが詰まった、社会への提言書のはじまりである、と私は感じています。