キャリア教育NPO法人 Grow & Leap

4期生に聞いた!4期My Story Project評価アンケート結果 vol.1

こんにちは、松隈です。
My Story Project Fes. vol.4 (2025年3月開催)で一区切りついた4期 My Story Project(愛称「MSP」)について、4期生の皆さんにMSP評価アンケートに回答してもらいました!

アンケートでは、個別受講や全体企画などについて様々聞いていますが、今回は「個別受講内容」にフォーカスをあてて、その結果についてご報告したいと思います!

自分の人生のアントレプレナーの起点、自己分析

第1位は、やっぱり「自己分析」でした(3年連続1位です)。

MSPでは、必ず「自己分析」から始めます。自分の生きてきた過去十数年を振り返り、その中で自分自身が感じたことや考えたこと、またそれが今の自分とどのように繋がっているのかについて、メンターとじっくり考えます。

そんな自己分析が特によかった!と挙げている受講生が多くいました。
その理由を見てみると「自分について考えることは大事だと思っていたけど、改めて時間をとって考えたのは初めて」など、自分について考えた時間そのものに価値を感じている声が多く見られました。そもそも、学校に部活、塾に課題…と目まぐるしい日々を過ごしている中高生にとって、自分についてゆっくり考える時間も空間も、それほど多くないのが実情です。そういう意味では「自分と向き合う時間」という時点で、既に特別な時間なのかもしれません。

また「点と点が繋がった」「自分の取扱説明書ができた」という声もあり、単なる自己理解に留まらず、自分の人生というストーリーを見つける感覚に近いのではないかと思います。このストーリーを見つけることは、「自分はどんな人間で、どんなことを大切にしているのか。だからこそ、これからどう生きたいのか」という問いに対して、自分なりの答えを持つことを意味します。それはつまり、自分の人生のハンドルを自分が握って動かしていくような、主体的に生きることの出発点になるはずです。まさに、MSPの目標である「自分の人生のアントレプレナー」の起点です。

職業選択や進路選択から「生き方」への転換

第2位にランクインした社会人の方へのインタビューでは、自分の興味関心のある分野で活躍されている方のリアルなお話を聞きます。

その理由について、「実際に働いている方の話を聞くことで、『職業』ではなく『生き方』に触れられた」「本ではなく、生きた言葉として聞けた」という声が挙がっていました。インタビューは、仕事や活動の内容、現状の課題や悩みなどについて伺う機会でもありますが、単なる知識習得や情報収集ではありません。どんな人がどんな価値観でどんな想いを持って働いているのか、その生の声に直接触れられる機会です。それも、ほぼマンツーマンで話してもらえる環境です(ご協力してくださった皆さま、本当にありがとうございました)。

そのようなインタビューについて「『どう生きたいか』という視点が、キャリアを考える出発点になるのだと気づかせてくれた時間だった」と振り返っている子もいました。大学受験のための高校の勉強に象徴されるように、次のステップのための準備に終始してしまう教育が多い中で、職業選択や進路選択という視点から自分の人生の生き方への転換は、非常に大切なものだと考えています。
また「この分野にもっと進みたいと思えた」という声もあり、誰かの人生を通じて、自分の未来が照らされ、後押しされた時間でもあったのかもしれません。

メンターとの関わりそのものが織りなす意味

第3位にランクインしたのは、メンターとの何気ない対話でした。

「学校であった辛いことを相談したら、否定しないでただ聞いてくれて嬉しかった」「同世代以外の大人と継続的に深く関わること自体が新鮮で、どんなにとりとめもない話でも真正面から受け止めてくれたことがよかった」といった感想が複数見られました。特に傾聴と安心感が受講生の自己表現を支える土台になったようです。

このような受講生とメンターとの関係性は、家でも学校でもない第三の居場所(サードプレイス)として機能していることは言うまでもありませんが、もう少し質の違う意味もあるのではないかと個人的には感じています。
例えば、SNSの発達によって、現代社会では「繋がること」は非常に容易になり、趣味嗜好や価値観と合う人は探せば簡単に見つかります。他方、一人の人とじっくりと対話し、関係を深める機会は、それほど多くないのではないでしょうか。会話のテンポや空気感、ちょっとした沈黙までもが大切に扱われる時間は、ただ互いに存在を確かめ合いながら、自分を出しても壊れることのない確かな関係と感覚を得ます。それは一見単純に見えて、実はとても豊かな時間だと私は思います。

中高生にそんなものを届けられたなら、とても嬉しいです。

番外編!社会に働きかける主体としての自覚

惜しくもトップ3にはランクインしませんでしたが、イベント企画も上位にありました。このイベント企画は、自分自身の感じたこと、考えたことを起点として、自分で一からイベントを企画していくものです。

*4期生が企画したイベントの一部をご紹介しています

イベント企画では「参加者の視点に立って考える機会になった」「一歩踏み出せてよかった。自分で動いて何かを動かすことにやりがいを感じた」といった声があがりました。
自分が動くことによって社会や周囲が動くという体験は、自己効力感に繋がります。また、今後の人生においても、自発的にアクションを起こしていく土台になるのではないでしょうか。

自分の物語の主人公として生き始めるきっかけ

MSP評価アンケートを読みながら、中高生一人ひとりが「自分と向き合い、人と深く関わり、社会と繋がる」ことを通して、自分の物語の主人公として生き始めるきっかけを得たのかなあ…と感じました。改めて、MSPは単なるキャリア教育・キャリア支援なんだろうか…?という疑問も浮かびました。笑

そして、MSPの中核にあるのは「自己と社会の接続」「内面の言語化」「関係性の中での自己形成」であるように感じました。一人ひとりが自分の人生を生きる力を得られる機会になったら幸いです。

MSP評価アンケートの「全体企画」に関しては、近いうちに第二弾として投稿予定です。
楽しみにお待ちください!

くまちゃん

Grow & Leap 常務理事・MSPメンター・事務局
大学院で臨床心理学を専攻、メインテーマは自尊感情と自己価値。一人ひとりが自分と向き合う中でよりよい在り方を見つけたり、社会の中で自分らしく生きることをサポートしたりしています!
(臨床心理士 有資格)

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