キャリア教育NPO法人 Grow & Leap

【保護者ストーリー】自分が本当にやりたいことを探してほしい。

 今回は、2期 My Story Projectに参加した高校生の保護者の小林さんに「わたしがGLを支援する理由」をテーマに記事を書いていただきました。小林さんは、マンスリーサポーターとして、毎月の寄付をしてくださっています。
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我が子に向かうまっすぐな思い
「自分が本当にやりたいことを探してほしい。」

 私は昭和の第二次ベビーブームの生まれで、バブル経済下のサラリーマン家庭に育ちました。父はとても真面目で、唯一の休みの日曜日にも会社の仕事を家に持ち帰って図面を引いているような人でした。5人家族を養うために一生懸命仕事をしてくれている父を尊敬してはいましたが、自分が大人になって会社で働くようになった時には、どんな生活を送っているのだろうかと漠然と不安に思っていました。

 今から30年前の私の就職活動は、業界や会社名のみで就職先を選んだり、大学の研究室の教授の紹介で決めたりすることが一般的でした。また「どこに入っても、まあうまくいくから大丈夫」というような風潮もあって、「会社組織の中で自分はどんな仕事をするのか。」「自分のやりたい仕事ってなんだろうか?」といったことをきちんと考える機会はほぼありませんでした。学校教育も、会社組織に溶け込んで問題を起こさない人を育てるための教育であり、与えられた問題を正確に解くことや協調性を育むための同質化教育を進めていたように思います。

 しかし自分が実際に社会に出るようになると、世の中にはいろんな仕事があることを知るようになり、会社員ではない働き方も普通にあることを知るようになって、自分が本当にやりたいことを学生のうちに探すことが大切だと痛感しました。なので、自分の子どもに対しては、社会の仕組みを自分なりに説明したり、世の中には様々な仕事があって多様なものだということをかなり小さい頃から話すようにしていました。

 私は、3人の男の子に恵まれたのですが、彼らは兄弟だとしても性格はバラバラだし、自分だけの考えで一人一人の個性を把握して育てることはとても難しく、限界をいつも感じていました。そういう中でGrow & Leap(以下、GL)さんの、一人一人の個性を引き出すことに着目したMy Story Project(以下MSP)を知るようになり、まさにこれが求めていたものだと思い、すぐに長男が参加させていただくようになりました。


全ての前提がぐらぐらと揺れる思春期に
自分の生きてきた道を話す場は大きかった

 GLさんにお世話になりいつも感じることは、一人一人の思いに深く寄り添ってくれているということです。MSPは、何かを教えようとするものではなく、個人の潜在的な思いを引き出そうとするもので、対話がベースです。そのおかげで、息子は自分の思いを自分で言語化して、発信するようになったと思います。MSPと同時期に、自分で学生団体の代表に挑戦し、家でも「参加率が下がってきたが、どうしたらいいのか」と相談してくることがありました。話を聞いていると、「なんでやっているのか?を言語化しないと求心力がもてないよね。」という結論に自ら行きついて、自分で思考を深め整理をするようになったんだな、と成長を感じる瞬間もありました。また、最近大学に提出する書類を見ましたが、自分の頭で考えて書いているのが伝わってきました。

 3月のフェス(vol.2)の様子を見た時は、MSPに参加する中高生が堂々と自分について発表をする姿を見るのは驚きでもありました。一方的に、自分の考えを自分勝手に主張するということではなくて、自分について客観視しながら、こうしたい、こう思う、ということを話していて、「大したもんだな、もう大人なんだな。」と思いました。

 MSPの参加のタイミングは、彼の心の成長のタイミングにピッタリだったと感じています。思春期でもあり、これまで疑問に思わないことに疑問視し、悶々と過ごしていた時に出会ったものがMSPでした。ちょうど、「自分って何者なんだろう?」といった、問いが生まれる時です。全ての前提がぐらぐらと揺れる時に、これまで自分はどう生きてきたのかについて話を聞いてもらう環境があったことは、彼にとって大きかったのだろうと感じています。MSPで彼が、自分の考えを言語化して、自分を客観視することができたからこそ、自分がどういう道にいこうか前向きに考えるようになったと感じています。

 一人でも多くの中高生がMSPを体験してもらって、自信を持って自分のキャリアを歩むきっかけになるといいなと思います。

くまちゃん

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