キャリア教育NPO法人 Grow & Leap

【年間協働パートナー企業×MSP生】「当たり前」が違う世界で、人はどう関わり合うのか。

My Story Projectでは、中高生がさまざまな分野で活躍する大人と出会い、対話を通して「働くこと」や「自分らしい生き方・価値観」について考える活動を行っています。

今回は、グローバル企業や多文化環境での経験を持つ、年間協働パートナー企業のPhalanx合同会社の水野優さんにインタビューを実施しました。インタビュアーを担当したのは、中学・高校を海外で過ごしている5期MSP生のゆなさんです。

文化や宗教、価値観が異なる人たちと共に働く中で、どのように相手を理解し、関係を築いていくのか。
「正しさ」が一つではない社会の中で、何を大切にしながら生きていくのか。

実際に海外やグローバルな環境で働いてきた方のお話を通して、中高生自身が“自分の当たり前”を見つめ直す時間となりました。
(インタビューの内容を一部紹介します!)


Q. グローバル企業で働く中で、海外と日本の働き方の違いを感じたことはありますか?

本社をアメリカに置くグローバル企業に在籍していた当時、約5万2千人が勤務しており、社員は多様なバックグラウンドを持っていました。宗教観・倫理観・言語が異なる人たちと一緒に働くためには、国や文化を超えた共通ルールが必要です。ヨーロッパ出張では、アメリカ流の「あるある」が通じず、むしろ悪い印象を与えてしまうこともあり、相手の文化に合わせる姿勢の重要性を強く感じました。法律は国ごとに違いますが、グローバル企業では法令遵守と同時に倫理(エシックス)を軸として重視していました。知財についても、アメリカ・ヨーロッパ・日本で弁護士や弁理士の考え方が異なり、文化や背景の違いが色濃く現れることを実感しました。

Q. 「当たり前」が違う人と、上手に関わるには何が大切だと思いますか?

グローバル企業では、文化や当たり前が違う場面でも、一方的に正しい・間違っていると判断せず、理由や背景を理解して明確にすることが大切だと感じました。例えば中東では、日本では違法になる行為が現地では普通に行われることもあり、株主や関係者に対しても何のために行ったのか説明し、透明性を保つ必要があります。また、多文化社会では宗教や文化の違いが混ざり合っており、折り合いをつけながら仕事を進める場面も多くあります。こうした違いを理解し、ルールや考え方をはっきりさせることが、多国籍・多文化の環境で上手に関わるために必要だと感じています。

Q. 「人」として大切にするべき心持ちは何だと思いますか?

「執着しすぎない」ことだと思います。固執せず、物事を俯瞰して受け止めると、人生や仕事が楽になり、物事も自然に回り出します。ビジネスでも、自分の開発したものにこだわりすぎると使いやすさや広めることの妨げになります。自分を俯瞰して「自分はこう信じてきたから今こう感じている」と距離を置きながら考える習慣を持つこと。結局、本質はシンプルで「物事は変わり続ける」。それをどう受け止めるかだと思います。

Q. 人生とは何だと思いますか?

人生とは、意識があるこの瞬間のことだと思います。体内でも分子や原子レベルでは常に入れ替わり、世の中で動かないものは一つもありません。人はすぐ忘れますが、思い出は美化され、辛いことは薄れていきます。だから、今この瞬間に自分が何をどう感じているかがすべてです。生まれることも死ぬことも自分で決められません。だから、その間をどう楽しむかを考えればよいと思います。もちろん、やらなければいけないことや嫌なことはありますが、ゲームのように「やべえ、強い敵が来た」と捉える感覚でよいと思います。


MSPでは、学校生活の中だけではなかなか出会うことのない、多様な価値観や人生観に触れる機会を大切にしています。

社会で活躍する大人との対話は、単なる進路や職業の話にとどまらず、
「自分はどんな人でありたいのか」
「異なる価値観とどう向き合っていきたいのか」
を考えるきっかけにもなっています。

今回のインタビューでは、多文化環境の中で働く難しさだけではなく、違いを否定せず、背景を理解しようとする姿勢の大切さに触れることができました。

また、「人生は、今この瞬間の連続である」という言葉は、将来への不安や迷いを抱えやすい中高生にとって、自分自身の生き方を考える大きなヒントになったように感じます。

これからもMSPでは、多様な大人との出会いを通して、中高生が自分自身の価値観や可能性を広げていける機会をつくっていきます。
ご協力いただいたPhalanx合同会社の水野さん、ありがとうございました。

インタビュアー ゆなさんの感想

さまざまな業種を経験し、世界を舞台に働いてきた方の人生観は、刺激的でした。育った環境や文化が異なれば常識も変わるからこそ、倫理を軸に物事を確認し合い、互いを理解しようとする姿勢が大事だと感じました。また、「当たり前」が異なる人との出会いは恐れるべきものではなく、むしろ1人の人間として「その人自身」を知ることができる大きなチャンスなのだと気がつきました。一つひとつの出会いを大切にしながら、生きていきたいです。(ゆな)

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