「なぜ、Grow & Leapに関わり続けているのですか?」
今回、メンターやボランティアとして活動する社会人の方に集まっていただき、座談会形式で改めてその理由を伺いました。
教員、保育士、会社員、起業家など、それぞれ異なる立場で活躍する皆さんですが、お話を聞いていくと、共通して語られていたことがありました。

子どもではなく、一人の人として出逢う
「最初は、中高生を応援したいという気持ちで参加しました。」
そんな言葉から始まる方が多くいました。
小学校教員として働く櫻庭さんは、Grow & Leapに参加したことで、それまであまり接する機会のなかった中高生の「生の声」に触れられたことが大きかったと話します。小学校という狭い世界だけでは見えなかったものが、中高生と関わる中で見えるようになったといいます。
得た経験を、また子どもたちに返していける。それがいいサイクルになっていたから、参加を続けるのが楽しかったんです。
40代になった今も、中高生と関わる中で得た言葉や考え方の広がりが、日々子どもたちと接するときの自分の言葉に厚みを持たせてくれていると振り返ります。
子どもっていうよりは、一人の考える人間みたいな感じでコミュニケーションできたりするのが、結構面白いんですよね。
櫻庭さん(40代・小学校教員)

小学校の高学年を担当する中で、上っ面の言葉はすぐに見抜かれてしまう年齢の子どもたちと向き合ってきた櫻庭さんにとって、中高生の「生の声」と日々触れ続けてきた経験は、対等な一人の人間として子どもと向き合う姿勢そのものを鍛えてくれたようです。
起業家として活躍する水野さんも、中高生との対話が自分の視野を押し広げてくれた一人です。
仕事に追われる毎日の中で忘れかけていた社会の変化に、ふと気づかされることがあるといいます。あるとき、幼い頃によく見かけた野良犬や野良猫の姿が今はほとんどないことにふと気づき、調べてみたところ、犬猫の殺処分数がこの20年で大きく減っていることを知ったそうです。
そんな日常の中では掘り起こすことのない過去気になったことについて、中高生との対話がきっかけで記憶を思い出させてもらう。そんな瞬間が積み重なって、自分の視野が広がっていったと話します。
学ぶのは、中高生だけではない
印象的だったのは、「教える側」だと思って参加した大人たちが、実は中高生から多くを学んでいるという話でした。
水野さんは、高校生をテーマにしたオンラインセッションなどを通じて、自分では見落としていた視点に気づかされることが多いといいます。
中高生はこんなところを見ているんだ、と気付かされることが本当に多いです。自分の仕事のことばかりで、見えていなかった部分があったなと感じます。
水野さん(50代・起業家)

代表の倉田も、「中高生と話していると、自分ももっとしっかりしよう、背中を見せられる大人でいようと思わされる」と話すと、水野さんは深くうなずきながら「本当にそう思います。ちょっとシャキッとしようって、はっとする瞬間がありますね」と応じていました。
応援する立場のはずが、いつの間にか自分自身が背筋を伸ばされている。Grow & Leapは、中高生だけが成長する場ではなく、大人自身も刺激を受け、学び続けられる場所になっているようです。
「仕事以外の居場所」があるということ
社会人になってから参加した野口さんは、仕事とは別のコミュニティを持つことの価値を語ってくれました。
自分の仕事の組織だけにいると、どうしても考え方が画一化してしまいます。でも、ここには中高生もいて、さまざまな職業の大人もいる。だから、新しい価値観に出会い続けることができるんです。
野口さん(20代・会社員)

キャリアコンサルタントの資格を「取ったからには活かしたい」という気持ちで飛び込んだという野口さんにとって、Grow & Leapは学んだことをアウトプットできる場所であると同時に、自分自身も成長できる場所。そんな存在として捉えているそうです。
得たものはコミュニティだけではありません。イベントでファシリテーターを任される経験を重ねる中で、それまでほとんどやったことのなかったスキルが少しずつ身についてきたといいます。
中高生を見ていると、成長スピードがすごく速いなと感じるんです。大人ってそんなに速いものじゃないから、どうしても自分自身も怠けてしまう部分がある。でも中高生と関わって『すごい成長してるな』と感じると、私ももっと頑張らなきゃって思わされます。
今回の転職も「もっと成長したい」という気持ちが後押しになったそうで、野口さんにとって中高生と関わる時間は、スキル面でもマインド面でも、自分自身をアップデートし続けるための場になっているようです。
「活動の軸」が変わらないから応援したくなる
2018年、団体の立ち上げ期から関わり続けている安田さんは、Grow & Leapの魅力を「一貫性」という言葉で表現してくれました。
教育系の活動はいろいろ見てきましたが、ここ(GL)は本当に筋が通っています。一人ひとりを丁寧に見ているから、中高生の成長がよく分かるんです。
安田さん(50代・会社員)

2018年の団体立ち上げ期から関わり続ける中で、印象に残っているMSP生の一人がいるという安田さんは、自分自身の変化についてもこう振り返ります。
彼女みたいな子と話すときに、自分も何かアップデートしないと顔向けられへんな、という気になるんです。子どもとは違う、お互い客観的な目で見られる存在というか。自分の行動や考えに対して、何かかきたててくれる人たちなんですよね。
自分の子どもとは違う年の近い中高生たちだからこそ、フラットな目線でお互いを見つめ合える。安田さんにとって彼らは、支援する対象である以上に、自分自身を奮い立たせてくれる存在になっているようです。
また、亀田さんはこう話します。
いろんな価値観の人と、心理的安全性の高い場で話せることが魅力です。中高生の考えは、自分の身の回りではなかなか出会えないものなので。
亀田さん(40代・会社員)

活動を続ける理由は人それぞれですが、「ここだから続けたい」と感じる背景には、変わらない理念や、一人ひとりを大切にする姿勢があることが伝わってきました。
支える側にも起きた、大きな転機
今回の座談会で特に印象的だったのは、「支える側」だったはずの大人自身のキャリアが、Grow & Leapとの出会いをきっかけに大きく動いた、という話が複数出てきたことです。
大学時代からメンターとして関わってきた青木さんは、Grow & Leapでの経験が自分自身の進路選択に直結したと振り返ります。大学生活を送るまで、保育士という職業は自分の選択肢にまったくなかったといいます。しかし、中高生と一緒に自己分析に向き合う中で、大きな転機が訪れました。
中高生に問いかけている内容が、そのまま自分に問われているものとして考えられた。それがまず一つ、すごく大きかったです。
人見知りで一歩を踏み出すのが苦手だった自分が、メンターとして受講生のためにアポイントを取ったり、イベントを主催したりする経験を重ねる中で、小さな自信を積み上げていったといいます。
内省するのは昔から好きなんですけど、外に行動していくのはすごく苦手で。それでもメンターをやる中で、受講生のためにアポを取りに行ったり、人見知りすぎて絶対に自分では開かないようなイベントを、サポートするために開いたり。自分だけだったら絶対やらないことを、たくさん経験させてもらいました。
青木さん(20代・保育士)

その延長線上に、保育士という今のキャリアがあるそうです。
亀田さんも、Grow & Leapとの出会いが大きな決断のきっかけになった一人です。15、6年勤めた会社を退職し転職したのは2年前のことですが、そのきっかけを振り返ると、初めて訪れたMSP(My Story Project)のイベントで感じた熱量に行き着くといいます。
その時のすごい熱量を感じて、自分も一歩踏み出したいなという気持ちになったんです。
以前から転職への思いはくすぶっていたものの、最後に背中を押したのはGrow & Leapで出会った人たちの姿勢だったそうです。その後も関わりを続ける中で、自身の研究テーマとして学会発表の機会を得るなど、思いがけない広がりも生まれました。
支えるつもりが、自分も成長していた
「中高生のために」と思って参加したはずが、気づけば自分自身も成長していた。ときには、キャリアそのものが動き出すほどの転機になることさえある。
Grow & Leapには、そんな循環があります。
誰かの挑戦を応援することが、自分自身の挑戦につながる。
だからこそ、多くの方が何年にもわたって、この場所に関わり続けてくださっているのかもしれません。
後編では、座談会の後半で語られた「こんな大人に関わってほしい」というリアルな声をお届けします。



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