キャリア教育NPO法人 Grow & Leap

真面目な優等生JC(女子中学生)が、気づけばJK(女子高生)起業家に!?

ー「ちょっとした興味を大事に」スクラッチから起業までの道のりー

MSP生の、その後ストーリー vol.2

「あの子、今どうしてるんだろう」
My Story Project (以下「MSP」) のコース修了した先輩たちは、あれからどんな日々を送っているんでしょうか?
受講当時から一緒に伴走してきたスタッフが、数年後の姿を訪ねます。MSPで自分の言葉を探し始めたあの頃。そしてその先に広がった景色を、一緒に聞きに行きましょう。

第2回は、2期生のひかりさんに、起業準備中の「学生向け課外活動情報発信メディア」について、これまでの歩みと今の挑戦を聞きました。


インタビュアー:くらら
Grow&Leap代表。
2021年にMy Story Project (MSP)を始動。
1期から現在までメンターとしても担当生を受け持つ。

インタビュイー:ひかり
2期 MSP生。
2022年に中2でMSPに参加。
現在、福岡県の高校3年生


MSPには、自分で見つけて参加した

ひかり:4年前、中学2年生のときに2期生として参加しました。

当時はコロナが少し収束しかけていた頃で、学校外で何かしたいという気持ちはあったんですが、何をしようか分からなくて。ネットで探しているときに、「やりたいことが分からない」と書かれたMSPのホームページが目に留まって。自分と同じ悩みを持つ中高生がいるんだと感じて、面白そうだと思い、自分で応募しました。

そうですね。それより前、コロナ期間中に独学でプログラミングを勉強していて、ゲームの作り方などを自分で調べる機会が多くありました。情報収集は得意だったかもしれません。

2023年3月/ MSPフェスにて

きっかけは「Scratchのサイトが使いにくい」だった

小学6年生、ちょうどコロナが始まったばかりの頃です。毎日が夏休みのような感覚だったので、独学で、YouTubeや他の人が作ったまとめサイトを見ながら覚えました。最初はScratchで他のユーザーが作ったゲームで遊んでいたんですが、飽きてきて、自分でも作れることを知って作り始めました。

Scratchのサイトがすごく使いにくくて、「このサイトをどうにかしたい」「じゃあ運営に入ればいいんだ」と当時の自分は思ったらしいんです(笑)。
調べてみたら、Scratchはマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究室が作ったものだと分かって。アメリカの大学生は実際に形にしながら学べるんだと知り、机に向かう学びよりも私に適していたことから、海外の大学に魅力を感じるようになりました。そこから調べる中で、海外大学には課外活動が重要だと気づき、中学生のときにMSPに出会いました。

はい、中2の夏休みに参加しました。それを教えてくれたのは母でした。小学6年生の頃から「アメリカの大学で学びたい」と話していたので、母もその関心を知っていて、海外の大学生が教えに来るプログラムがあると教えてくれたんです。午前は英語のレッスン、午後は英語劇・スピーチ・プログラミングから選べて、迷わずプログラミングを選びました。

そうですね。コロナがなかったら、考えてもいなかったと思います。

新しい挑戦:学生向け課外活動情報メディアの起業

今は、非営利で中高生向けの課外活動やイベント情報を発信するメディアを運営しています。これを事業化して、マネタイズをしながらより本格的に動かしていこうと考えています。

ちょうど1年前、2025年7月頃から始めました。
それまで色々な課外活動に参加してくる中で、都会と地方の情報格差に気づいたんです。自分自身は、調べて情報を集める力はあっても、周りの子たちは同じようにはいかない。「やりたいことはあるけどどうしたらいいか分からない」という人が多かった。自分が得意な情報収集が周りのためになるし、全国的にも同じように困っている人が多いと分かって、メディアを始めました。

いえ、最初はGoogleスプレッドシートに情報をまとめて、必要としている友達3、4人に送ってみたんです。そうしたらすごく反響があって、「今後も送ってほしい」と言われました。
数百人にアンケートを取ってみると、9割以上の人が同じように情報に困っていて、学校や親から得られる情報にも限りがあると分かったので、もっと見やすい形にしようとInstagramでの発信に切り替えました。今ではウェブサイトも立ち上げて運営しています。

【ひかりさんが立ち上げている、実際の「学生向け課外活動情報発信メディア」】
BEE log(2025年7月~)
サイト: https://www.beelog-jp.com/
インスタグラム: https://www.instagram.com/beelog_jp/

地方では課外活動自体があまり推奨されていなくて、先生や親から入ってくる情報も月に1つ、2つあるかどうか。それも自分が本当にやりたい分野とは限らない。もっと色々な分野を知りたいというニーズがあっても、学校経由の情報には限界があって。そこに応えたいという思いで始めました。

そうですね。高校1年生の夏頃、交通費を出してもらって東京で参加したプログラムで、全国から起業に興味がある高校生が集まっていました。そこで出会った先輩や同級生が、福岡にいた自分は絶対に得られなかったであろう情報を持っていて、見たこともない世界で活躍していて。
すごくかっこよくて尊敬した一方、知らないだけでこんなに差があるんだと気づいて、「みんながそういう情報を知って、やりたいことをやれるようになったらいいな」と高1のときに思うようになりました。

高1から高2の夏にかけて、ビジネスコンテストや探究コンテスト、プログラムなどとにかく色々な場に参加していました。
そして高2の夏、「IVS Youth」というビジネスピッチコンテストの機会にお誘いいただきました。自分がやりたいことを一度整理してみようとピッチに出したのが1年前の夏です。そこで評価されて特別賞をいただき、自信もついて、周りに応援してくれる人も出てきました。そこから、Instagramでの発信やウェブサイトの立ち上げ、運営を続けて1年になります。

ビジネスコンテストで発表するひかりさん
(IVS Youth/2025年7月)
ビジネスコンテストで賞を受賞するひかりさん(IVS Youth/2025年7月)

続けられた理由は「数字」と「実感」

メディアという形態上、良くも悪くも動いた分だけ数字で結果が出てしまいます。何人が見たか、いいねしてくれたか。頑張って発信すればページビューは増えるし、勉強に集中して投稿できないと数字は下がる。だから「頑張らなきゃ」と思えました。
それと、広めるために色々なビジネスコンテストに出場していて、高2の秋冬頃から「BEE log見てるよ!」と言われるようになり、広がっている実感を得たときに、またやる気に火がつきました。

はい、びっくりされました(笑)。
私自身も、MSP生で知ってくれている人がいることがすごく嬉しかったです。

そうですね。ピッチ後の1ヶ月はちょうど夏休みで、時間もあって投稿できるし、数字もついてくるし、次を頑張ろうという気持ちも湧いてくる。良いサイクルで走った1ヶ月でした。9月以降も、認知度が上がって学生団体や企業さんから「BEE logに載せてくれませんか」と言われることも出てきて、それがまた続ける原動力になりました。

事業化を決めた2つのきっかけ

大きく2つあります。
1つは、高1のときに参加した起業家支援プログラムの代表の方から、1年後に「あのアイデア、まだ頑張ってるよね」と声をかけてもらい、Zoomで話したことです。そのとき、企業や団体側も学生の集客に困っているという話を聞いて、そこに特化した仕組みをビジネスとして作れば、お金を払いたい企業がいるはずだというアイデアをもらいました。

もう1つは、福岡県に学生起業を支援するプログラムがあり、最大50万円の予算がもらえること。ただし高校生限定だったので、「このチャンスは今しかない」と思い、自分でクラウドファンディングをするよりコストが低く応募できるこのプログラムに挑戦することにしました。受験もありましたが、高校生最後の挑戦だと思って。

先日、そのプログラムに採択されました。ちょうどキックオフが終わり、活動を加速させています!

福岡県内の高校生がまず全員知っている状態

この夏~秋に法人化をしたいと考えています。具体的な形はまだ決まっていませんが、法人化したら秋頃から企業や大学との連携をさらに深めていきたいです。
福岡県のプログラムでは、2月までの目標として「福岡県内の高校生がまずは全員知っている」という状態を目指しています。それまでにオフラインイベントなども企画しながら広げていく予定です。

「真面目な優等生」から「我が道を行く」へ

英語とプログラミングに興味があって、その2つを掛け合わせて何かをしたい、挑戦し続けたい、という話をしていた気がします。

2023年3月/ 当時中2のひかりさんがMSPフェスで発表する様子

真面目な優等生でした。生徒会活動もしていましたが、周りの目をすごく気にしていて、授業中にも積極的に手を挙げるようなタイプではなかったです。やりたいことがあっても、周囲には話さないという感じでした。

真逆になりました。学校の周りの人にどう思われようと、やりたいことをやればいいと思うようになったんです。
きっかけは、活動を発信するSNSアカウントを作ったとき、言わなくても友達にいつの間にか知られていて、「見たよ」とか「学生団体ってどういうこと?」と聞かれるようになったこと。隠す必要はないし、むしろみんな応援してくれるんだと気づきました。

課外活動や社会貢献のようなことをしていると周囲から「意識高い」と思われるのが嫌だったんです。みんなと同じ普通の高校生でいたかったし、そう思われた瞬間に距離を置かれるのがすごく嫌で。
でも、活動していることが自然と知られてしまって、「まあいっか」となって。今も少し距離を置かれることはありますが、自分がやりたいことをやれているのでいいかな、という感じです。

同世代や異世代との交流を楽しむ、高2の頃のひかりさん
(THEリーダーズラボ/2025年11月)

未来のMSP生へ

メディアをやりたい、情報を届けたいという気持ちはもちろんありますが、その先に「情報を知ることで色々な選択肢を知り、みんながやりたいことができる社会になれば」という思いがあります。そのために今できることがメディアだった、というだけで、将来はメディアを続けているとは限らないし、違う領域になるかもしれません。
でも、「みんながやりたいことを選択肢をもって選び、実現できる社会」を目指したいという軸は変わらないと思っています。友人が世界規模の投資ファンドを作ったという話を聞いたとき、資金的な支援という応援の形もあると気づいて、自分もメディアに限らず、いろんな応援の仕方を続けていきたいと思っています。

私自身、コロナ禍でScratchに触れたという、本当に何気ないきっかけから今につながっています。ちょっとした興味でも、気づいたら大きな原動力になることがあります。「海外大学に行きたい」と言い始めてから5、6年、ずっとそれを支えに頑張ることができました。だから、ちょっとした興味を大事にしてほしいと思います。

コセッチ郵便局

Grow & Leapのオリジナルキャラクター、コセッチ。コセッチ郵便局として、みんなからのメッセージを届ける。

CAPTCHA


代表note