皆さんこんにちは!インターン生のたにと申します。
私は現在大学2年生ですが、ダブルディグリー制度を利用した留学プログラムに参加しており、フランスで2年間、日本で2年間学生生活を過ごすことで両大学の学位を取得する予定です(同じくインターン生のサッシーの後輩です)。すでにフランスの大学での1年目課程を修了しており、今はフランスに在住しています。
本記事より数回にわたって、現在20歳であるいろいろな人たちのこれまで、そしてこれからをキャリアデザインという観点から紹介し、皆さんに新たな視点を与えることができればと思います。第一弾は私自身のことをお話しします。
ビジョンの定まらないままでの留学
さて、仰々しくキャリアデザインという観点から紹介すると書きましたが、実は私は留学を決めたとき、将来自分がどうなりたいかなど全く定まっていませんでした。
私は公立中学校から内部進学のある高校に進学しましたが、高校2年生頃になると、部活動と勉強を必死に両立し困難を乗り越えてきた中学の頃の自分と、何の障壁もなしに大学までの道が続いている当時の自分に何か大きなギャップを感じ、漠然とした不安感に苛まれていました。そんな中、高校の講演会で留学から帰ってきた先輩の話を聞き、自身のコンフォートゾーンから抜け出し、自分自身にまた挑戦することのできる留学を私も志すようになりました。
最終的に私は数の限られたダブルディグリープログラムの枠を勝ち取ることができました。しかし、その留学の動機はあくまで現状を変えたいという気持ちと、英語という言語がシンプルに好きであるからであり、決して将来のやりたいことから逆算して生まれたものではありませんでした。よく留学の面接では、なぜ留学に行きたいのかを過去・現在・未来を一つのストーリーとして話せと言われますが、私の場合は未来の部分が抜けており、実際にフランスに着いてからも、「今やっていることを将来使うか分からないのに、本当に時間とお金をかける意味はあるのか?」など具体的な目的がないままの自分に不安を抱いていました。
能動的な環境の変化
ここまでを聞くと、あまり軸の通っていないキャリアデザインのように聞こえますが、今の私はこう思います。
将来のビジョンが見えないなら、意識を持って今の環境を変えれば良い。
そうすることで、新たな視点もその環境の変化に対する意義も後からついてくる。
私はキャリアビジョンがないながらも、能動的に安定した高校・大学生活の環境を変え、留学に対して「自己理解」を追求し、自分が何をしたいのか、また何ができるのかを探るようにしていました。こういった意識を持っていたことで、現地での日常生活に一つの視点を与えることができました。例えば、私はいろいろな国の友人によく料理を振る舞っていましたが、そこで日本の料理を作って食べてもらうときに特に嬉しい気持ちになりました。そのことに気づき、たとえどのようなキャリアに進んだとしても、日本とのつながりを失わず、日本に対して貢献できる道を選ぼうと思いました。
現在私は日本の一般企業で働きたいと思っています。留学を経たのに結局日本で働くのでは、一見海外に出た意味がないのではないかと思うかもしれません。しかし、実際に日本を外から見つめることで、仕事や物事に対する誠実さという面で自分に合っていると気づくことができ、留学の意義を見出せていると感じます(仕事に対する向き合い方の点については、フランスの休暇を重視する文化が強烈であっただけかもしれませんが…)。
留学を決断した当時の自分は当然このような俯瞰的な考えは持っておらず、目の前の現実を少しでも変えようと思っていただけです。しかし、今振り返ってみると、「自己理解」の意識を持って新しい環境に飛び込んだということが留学での学び、ひいては自身のキャリアパスのデザインに繋がったのだなと強く思います。
最後に
私がGrow & Leapを通して活動しているのは、自分と同じように具体的なビジョンを持てず不安になっている中高生の人たちを支えたいと思ったからです。
私たちはそれぞれの個性に重きを置き、その理解・表現ができるような活動を行っています。自身の「個性」を見つめ、学校や家庭の外側の全く新しい環境に入ることができるというのは、まさに私が留学によってキャリアデザインに必要であると見つけ出した要素であり、私はGrow & Leapでのイベントや交流を通して将来につながる新たな視点や経験を得ることができると強く思います。
私の経験が少しでも多くの人に何か視点を与え、皆さんのキャリアパスを考える一助になれば幸いです。










