キャリア教育NPO法人 Grow & Leap

「関わる大人自身が変わり続けられる場所」Grow & Leap座談会(後編)

『支えるつもりが、自分も成長していた』Grow & Leapに関わる大人たちが感じる、この場所の価値(前編)」では、Grow & Leapに関わり続けるメンターやボランティアの皆さんが、「支える側」でありながら、実は自分自身も大きく成長していたというお話を伺いました。

後編では、座談会の終盤で語られた「こんな大人に、この場所に加わってほしい」というリアルな声をお届けします。

zoom上で集って実施

「成功者」ではなく、「もがいている人」

真っ先に声を上げたのは、起業家の水野さんでした。真剣に何かと向き合い、チャレンジしている人の姿勢は、それだけで中高生に自然と伝わるものがある。そう前置きした上で、水野さんはこう続けます。

成功者とかそういうことではなくて、一緒にもがいて、考えて、悩んでいるような。そのがむしゃらさというか真剣さというか。そういう方っていうのはすごく貴重だなっていう気がします。

さらに水野さんは、「格好つけずに失敗談を笑って話せる大人がいい。失敗するのは当たり前だよっていう前提を語ってくれる人っていいなと。」と付け加えました。

完璧な大人の背中ではなく、悩みながら、時には失敗しながら前に進んでいる大人の姿。それこそが、中高生にとって一番リアルなロールモデルになるのかもしれません。

「キャリアに興味がなかった自分」だからこそ

青木さんの視点は少し違う角度からのものでした。今、メンターとして関わってくれる大学生の多くは、キャリア教育に関心があって自分から検索して来てくれる人が多いといいます。それ自体はとても大事なことだと前置きしつつ、青木さんはこう続けます。

私自身はキャリア教育に興味があってGLに関わるようになったわけではなかったので、そうじゃない部分でも魅力を感じて活動できる人も、実は多いんじゃないかなと思っています。

青木さんにとっての魅力は、「キャリア」という言葉よりも、内面の探求や「個性ってどういうことだろう」という問いそのものだったといいます。高校生の頃はキャリアに興味などなかった自分が、Grow & Leapに関わる中で大きく転換した経験があるからこそ、こう思うのだそうです。

キャリアに関心があるかどうかは、実は入り口の条件ではない。むしろ、自分自身と向き合うことに関心がある人になら、誰にでも開かれた場所なのかもしれません。

フェスで話すゆずきさん

あえて「無関心な人」を呼びたい

安田さんは、他の誰とも違う、少しユニークな提案をしてくれました。

一言で言うと、全くGrow & Leapとかに関心がなさそうな人を、逆に呼んでいきたいですね。

一見、活動への熱量が低そうな人物像です。しかし、その理由を尋ねると、こんな答えが返ってきました。

そういう人から見たら、どう見えてるんだろうって。大人自身もなんか変化が起こってくれると面白いなと思うんです。いろんな考えが混じった方が、より良い化学変化が生まれるんじゃないかって。

内側の熱量だけで固まった組織ではなく、外側からのフラットな視点をあえて取り込むこと。安田さんの提案は、Grow & Leapという場所自体の「一貫性」を保ちながらも、常に新しい風を入れ続けたいという願いの表れのようでした。

MSPフェスで中高生の発表を聴く水野さん、亀田さん、安田さん

保護者という、身近だけれど遠い存在

野口さんは、活動する中で感じたことがきっかけの提案をしていました。中高生の保護者は、フェス(成果発表の場)には多く来場するものの、日々の活動には顔を出す機会がほとんどない。しかし以前MSPフェスで、たまたま同じテーブルになった保護者が、中高生に一生懸命アドバイスをしている姿が印象に残っていると野口さんは話します。

そういう方が参加すると、中高生にとってもいいし、保護者自身にとっても『自分の子供がどういうことをやっているのか』という解像度が高まると思うんです。そこからママ友やパパ友経由で受講生が増えることもあるんじゃないかなと。

倉田からも「保護者の方がちょっと蚊帳の外になっているのかもしれない」という気づきの声が上がり、今後より積極的に保護者を巻き込んでいく可能性について話が広がりました。

「知的好奇心」という共通項

最後に、亀田さんが話してくれました。

すごく抽象的なことを言うと、知的好奇心がある人がいいのかなと思っていて。自分も多分に漏れず、そういう好奇心があって、一歩踏み出そうとか、そういう刺激が欲しいっていう大人はたくさんいるのかなと思います。

具体的な層としては、キャリアコンサルタントのように元々キャリア教育に関心がある人たちに加え、ソーシャルビジネスに携わる人たちにも親和性が高いのではないか、という指摘もありました。

中高生のインタビューに答える亀田さん(右上)

それぞれの視点が、ひとつの場所を形づくっている

「真剣にもがいている人」「キャリアに興味がなかった人」「あえて無関心な人」「保護者」「知的好奇心がある人」。

一見バラバラに見えるこれらの人物像ですが、共通しているのは「完成された大人」ではなく、「まだ変化の途中にある大人」を求めているということかもしれません。今回の座談会を通じて見えてきたことは、Grow & Leapが中高生を支援する場であると同時に、関わる大人自身が変わり続けられる場所だということです。

「支えるつもりが、自分も成長していた。」

その循環がある限り、この場所に関わりたいと思う大人は、これからも増え続けていくのかもしれません。

くまちゃん

Grow & Leap 常務理事・MSPメンター・事務局
大学院で臨床心理学を専攻、メインテーマは自尊感情と自己価値。一人ひとりが自分と向き合う中でよりよい在り方を見つけたり、社会の中で自分らしく生きることをサポートしたりしています!
(臨床心理士 有資格)

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