キャリア教育NPO法人 Grow & Leap

メンターと3期MSP生の保護者の方との交流会、水やり会議を開催しました!

こんにちは。事務局の松隈です。
10月21日にメンターと3期MSP生の保護者との交流会、水やり会議を開催しました。

MSPの中で見えている姿や、家庭において見えている姿をただ共有するだけでも、安心して見守ることができたり、言葉がけの仕方も少し変わってきたりすることがあると思います。そのようなちょっとした手助けの変化で、10代がもっとよく成長することにつながったらな、という思いから保護者の皆さんとMSPメンターを対象にした「水やり会議」を企画するに至りました。

その都度、状況に合わせながら適切な水やりをして、花を咲かすのを楽しみにしながら、成長をじっくり見守る。そんな会議にできたらと考えて開催しました。

 

以下、水やり会議でメンターが話していた内容の抜粋です。

*保護者の方からいただいたお話は、プライバシー保護の観点から割愛してあります。
*ファシリテーターは代表の倉田が担当しています。

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3期MSP、これまでの歩み

ー改めて、My Story Projectは90分間の個性教育を毎回実施していますが、90分間の時間はどんな形で使っていますか?
有希:90分間の流れは、全員が全く同じというわけでもないですし、その日にやる内容によってちょっと前後します。ベースとしては、CSCPCFという3つの時間を設けていて、最初に前回立てた実践テーマを振り返って、どういうことを頑張ったとかこんなことできた、こんなこと感じた、みたいな話を、最近どう?みたいな話をしながら話す時間が5から10分ぐらいあります。その後にCSと言ってその日のテーマ設定をするんですけど、その時間は大体10分ぐらいです。その後にCPといって、その日メインでやる内容をやります。例えば、自己分析だったりとか、何か深掘りしたいことを一緒に調べていく時間などが60分ぐらいあります。そして、最後にCFという振り返る時間があるので、そこでその日感じたことをまとめたり、次回までの実践テーマを一緒に考えたりします。それが大体10分弱ぐらいなので、そのような流れで進んでいって、それをサイクルで回していく形になります。

ーどれぐらいのペースで受講が進んでいますか?
柚季:基本的には週1回のペースで受講を進めています。その成長サイクルを回すために、一週間目標を持って過ごしてみて、受講で振り返って、また一週間目標持って過ごしてみてっていうことを繰り返しながら受講を進めている感じが基本ですね。テスト週間とかちょっとその子がしんどい時期かなっていうところは、その都度相談しながら、ペースを考えながらやっています。

ーCPとしては、今までどんなことやっていて、今はどういうことに取り組んでる受講生が多いとかありますか?
松隈:人によって多少前後しますが、大体8月中旬から10月頃までは、自己分析として、自分自身の過去を一緒に振り返ってみたり、その思い出の中で、どう感じてきたのかなどう考えてきたのかなっていうことを、一緒に事実と感情を考えてみたり思い出してみたりしました。またそれについて今はどう感じるのかどう思うのか、評価しているかっていうことも扱いました。それによって、自分ってどんな人なのかなとか、どんなこと考えて生きてきたのかなっていうことを一緒に見てきました。それに基づいて、自分ってこういうとこにちょっと関心あるなとか、こういうこと大事にしたいんだなとかって思ったことについて、一歩踏み出し始めているのがここ1ヶ月ぐらいです。

ー具体的に、受講生はどんな挑戦を今しているんですかね?
こころ:私が担当してる受講生は、興味のあることが地域創生ということで、地域の中で活動している方にリサーチしに行ったりとか、あとは同世代で同じようなことをやっているより身近に感じる人たちにインタビューしに行ったりとかをしてますね。

ー有希ちゃんの受講生はいかがでしょうか?
有希:直近は、社会人の方にお話を聞くキャリアリサーチを行ないました。今回は弁護士の方にお話を聞いて、死刑制度とか少年法とかかなりこう踏み込んだところまで色んな意見を聞いてみたりしました。あとは、自分が興味のある仕事について『AIにとって変わられるような仕事は嫌だ』って言っていたので、じゃあどんな仕事がAIに取られなくてどんな仕事が人間にしかできないかなっていうのを色々一緒に考える時間を持ったりしてました。

ー柚季ちゃんの受講生はこれからどんなことをやろうとしていますか?
柚季:来週インタビューをする予定で、農家さんに実際に話を伺う予定です。また日程が合えば、実際に農業の体験とかをさせていただけるっていうことだったのでその体験をしたりとか、無農薬、オーガニックのことをインタビューの中で聞けたりできたらと話しています。

 

「実際、自分もそうだったじゃないか」
忘れたその感覚を思い出して接する

ー彼ら彼女らの関心に従ってやっていることが全然違っていますね。メンターから見て、困ってそうなことやもがいてそうなことはどんなことですか?
柚季:目の前の大学受験も控え、ただ大学を選ぶという選択ではなくて、本当に自分が何をやっていきたいのかっていうところについて、ちゃんと向き合いながらすごく考えているなっていうところを感じていています。自分の得意不得意だけで選ぶ進路選択ではないんです。

ーなるほど。他にもありますか?
松隈:今年は中学生を担当しているのですが、中学1年生とかだと、そもそもその学校になれるところから始まるなと思います。また、明らかに悩んでいる子もいますが、すごく悩んでるって自分が自分の中ですごく気づいて悩んでるんだよなっていう感じというよりは、ちょっと悶々とするところがあるなとか、なんかちょっとうまくいかないなっていうところで、モヤモヤを抱えている感じがします。でも、それをなんでこうなんだとか、説明できるわけではなく、なんかちょっとモヤモヤしているっていう子が中学生ぐらいだと多いのかなと感じています。

ー今までの価値観を再形成しようとしている時でもあると思うので、自分でも整理がつかないみたいな感情や思考になることはたくさんあるのかなと思います。そんな思春期の中高生たちにどんなことを意識して接していますか?
遼謙:普段意識してることは、受講生が伝えようとしてることはなんだろうって、自分なりの解釈で捉えるんじゃなくてより本人の伝えたいことに沿って解釈できるようには心がけています。これはこういうことであってるよねって確認するようにしています。そのリアクションや言葉数も判断材料にして、本当に彼が思っていることかなとか、考えています。

ーそうなんですね、他にもありますか?
有希:私たちの中高生って何年前とか何十年前で、過ぎた私たちにとっては一個の通過点だから、例えばすごく進路で悩んでいても、「難しく考えなくて大丈夫だよ」とかそういう風に思っちゃいがちだと思います。でも中高生にしたら、本当に高い山が目の前にそびえ立っていて「うわ、どうしよ」って感じている。だから、私自身も実際高校生の頃はそうだったなって思って、その子の感覚を分かってあげつつ、今の自分のいる場所からも見てアドバイスしたり、思っていることをうやむやにしないで、ちゃんと言葉にできるようにサポートすることは意識しています。

 

メンター目線で、
中高生が保護者の方に期待していること

ー思春期の子育ては、私たち全員経験していないので、言えることはありませんが、中高生たちと接しながら、一番近い存在である保護者の方々に、中高生たちが期待しているのではないかと感じることはありますか?
柚季:中高生と話していると、親御さんのサポートによって前に進めている部分がすごくたくさんあるなっていう風に感じています。だから、ありがたいなと感じているんじゃないでしょうか。

ーありがたいと感じている。具体的にあったりしますか?
こころ:やりたいって思ったことに関して、干渉せずに聞いてくれるみたいなのがすごくありがたく感じている気がします。否定はしないけど、興味を持って接してくれてるんだなっていうところが私が中高生の時に求めていたことで、すごくお母さんにしてもらって嬉しかったですね。

ー他にもあったりしますか?
松隈:不安定な部分もあって、一見矛盾した感じもたくさんはあると思うんですよね。論理的に言ったら、めっちゃ矛盾していて。過度に干渉されたくないけど、だからといって放置されるのも絶え難くて、アドバイスも欲しいんだけど、でもだからといってたくさんくれると、自分の意見もあるし。そういう不安定な感じですね。

 

GLがサードプレイスに。
最近のホットな話題について

ー確かに、私も高校の時、意見を求めておいて、意見を言ってきたらちょっと怒り出すみたいな感じのことをやっていたなと思い出しました。事前アンケートで、インターネットに関して心配されている声もあったのですが、見ていて感じるところとかありますか?
有希:私が担当した受講生は、割と上手にネットと付き合っている子が多いようなイメージはあります。ただ、いつでも自分から探していったらどんな情報もどんどんどんどん手に入るような環境です。だから、自ら求めていかないと、量の差がすごく生まれるんじゃないかとは感じています。ネットの問題は色々騒がれたりとか、ニュースで出るから、結構気をつけたりある程度理解している中高生が多いようにも感じます。

ー今、いじめの件数とかも増えてきていますが、そういう話題はMSPの中で吐露していたりしますか?
松隈:過去にそういう経験を持っている子は結構います。いじめられたとかいじめたというだけではなくて、いじめを見てたとかもあります。それぞれどのように体験しているかって結構違っていて、もちろん傷ついているところはあるんですけど、その中でその子がどう捉えているのかによって、傷ついている部分や傷つき方も変わってくると感じています。

ー柚季ちゃんはいかがですか?
柚季:過去にそういう話が出たこともありますし、私自身もそういういじめだったりを見たり体験したりっていうところもあって、寄り添いながら話を聞けたらいいなと常に思っています。MSPに参加してくれた子は、せっかく学校以外の居場所を自分から掴みに来てくれたと思うので、私含めGLが第三の居場所みたいになれたらいいなと考えています。

ー苦しみを感じるコミュニティの外にGLがあることで、今の現状や過去の消化できないものを安全な場で話せるコミュニティとしても存在しているなと考えています。

 

保護者からの質問
『普段はどんな話をしているの?』

ー(保護者の方から)結構踏み込んだ話もされているんだなって思ったのですが、普段はどういった話をされていますか?
こころ:私が担当している受講生は、普段の活動内容とかを話すことが1番多くて、何してるのかとか、その目的って何なのかみたいな話をすることが一番多いかなって思います。

ー自分のやっている活動内容について話すことが多いって感じなのですね。有希ちゃんはいかがですか?
有希:本当に他愛のない話を受講の時間の最初とかに話すことが多いんです。例えば『あと2週間後にテストがあって数学がやばいんです』とか、「最近学校で何流行ってんの」とか、私が勉強していることに興味を持ってくれて、『これってどういうことしてるんですか』とか。『なんか全然集中できないんですけど』とかっていうちょっとした悩みの話もしていたりします。

 

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といった感じです(他にももっと様々に話しましたが、文章量の都合でこのくらいにしておきます)。

保護者の方からのお話も伺いながら、双方向のコミュニケーションによって見えてくる新しい一面も様々にありました。引き続き、保護者の方ともうまく連携し、中高生が中心となって、よりよい時間をみんなで一緒につくっていきたいです。

くまちゃん

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