キャリア教育NPO法人 Grow & Leap

【年間協働パートナー企業×MSP生】両立よりもゆるやかにつながる働き方

My Story Projectでは、中高生がさまざまな生き方・働き方をしている大人と出会い、対話を通して、自分自身の将来や価値観について考える機会を大切にしています。

今回は、年間協働パートナーの株式会社丸天産業の竹内理恵さんにインタビューを実施しました。インタビュアーを務めたのは、4期MSP生のきみこさんです。

竹内さんが取り組んでいるのは、子どもと一緒に職場へ出社する「子連れ出社」。
「仕事か、家庭か」という二択ではなく、一人ひとりが自分らしく働くための“選択肢の一つ”として生まれた取り組みです。

子どもを連れて働くことは、実際にはどのように始まり、職場にどんな変化をもたらしたのでしょうか。そして、仕事と子育てに向き合う中で、竹内さん自身は何を感じてきたのでしょうか。

これから自分の人生や働き方を選んでいく中高生にとっても、「働くこと」と「自分らしく生きること」の関係を考えるインタビューとなりました。
(インタビューの内容を一部ご紹介します。)


Q. 「子連れ出社」を始めた背景を教えてください。

 「みんなにこの働き方をしてほしい」というより「自分らしく働く」選択肢の1つが、『子連れ出社』という感覚です。うちの会社はそれ以外でもいろんな働き方にチャレンジさせてもらえる社風があります。子連れ出社はインパクトがあるので記事に取り上げてもらうことが多いですが、それを見た人が「うちでも制度改革してみよう」とか「こういう福利厚生なら考えられそう」とか、考えるきっかけになれたらいいなと思っています。

Q. 「子連れ出社」が根付くまでのプロセスはどんなものでしたか?

 入社当時、45人中女性は5人くらい。営業職は私だけでした。人数が少ない会社だからこそ、社長も会長も「家族も含めて大事にする」文化は昔から感じていました。例えば子どもが小学校に上がる時にランドセルをプレゼントしたり、子どもを呼んで餅つき大会をやったり。徐々に女性も増えて、ママワーカーを採用することも出てきました。インフルエンザで預け先がないとか、そういう相談があって社長が「子ども連れてきても全然いいぞ」という形で、子どもを連れてくることはありました。ただ、私みたいに「常に連れてくる」のは初めてでした。

Q. 竹内さんはどんなきっかけで「子連れ出社」されるようになりましたか?

 私は「ワークライフバランス」って言葉が苦手です。仕事はここまで、育児はここまで、みたいに境界線を引くのが本当に苦しいんです。だから、緩やかに育児と仕事の境界線があまりない方が、私は私らしく働けるなと。私も産んだのが38だったので、仕事はだいぶ慣れていて、人生経験もある状態だったのもあり、私の方から「必要な会議だけでも、オンラインで参加させてください」とお願いしました。そしたら、会長が、「出て来いよ」という感じじゃなくて、「竹内君がいないと寂しいなあ」みたいに言ってくれて。それで「会長にそう言われるなら出ちゃおうかな」と思って、子連れ出社を始めた感じです。

Q. 結婚とか育児とかイメージができないんですが…

 今はイメージができなくても、全然大丈夫。個人的には、メディアで「育児は、大変」ばかりがクローズアップされるのがもったいないなと思っています。息子は本当にかわいいし、早く会いたい、早く迎えに行きたい、って毎日思う。でもそういう話って、みんな恥ずかしくて言わないから。あと、ママが子どもと電車に乗って、泣いたら「ごめんなさい」と言ったり、ママが謝る機会が増えるのもおかしいなと思っています。そういう空気があると、若い世代から見ると「ママって大変そう」「寝れないんでしょ」みたいなイメージになる。出産って女性にしかできない、かけがえのない経験だと思います。


今回のインタビューで印象的だったのは、「仕事と子育てをどう両立するか」という問いだけではなく、そもそも一人ひとりが自分に合った働き方を選べる環境をどうつくっていくか、という視点です。

子連れ出社も、すべての人に同じ働き方を求めるものではなく、あくまで選択肢の一つ。
誰かの困りごとや「こうだったら働きやすい」という声から、新しい働き方が生まれ、それが少しずつ職場の文化を変えていく。そんなプロセスに触れることができました。

MSPでは、さまざまな大人との対話を通して、既にある生き方や働き方を知るだけではなく、「自分だったらどう生きたいだろう」「どんな社会だったら生きやすいだろう」と考えることも大切にしています。

今回のインタビューが、自分らしい人生や働き方にはさまざまな選択肢があることを知るきっかけになればと思います。

ご協力いただいた株式会社丸天産業の竹内理恵さん、ありがとうございました。

インタビュアー きみこさんの感想

何より印象的だったのは、竹内さんがとてもいきいきとお話しされていたことです。仕事や育児について語る姿からは、どちらかを我慢しているような印象はなく、むしろ前向きに楽しんでいるようなエネルギーを感じました。また、女性活躍という言葉だけにとどまらず、「誰しもが手を挙げやすい会社へ」というお話も心に残っています。働きやすい環境は特定の人のためではなく、すべての人にとって大切なのだと感じました。(きみこ)

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